「断捨離演劇!」

写真はA.I.Filmsの石田アキラさん、劇団往来の要冷蔵さん、神戸のシアターエートーの支配人で春匠の1人、大下順子さん。池袋のシアターグリーンで見てきた春匠「チョコレートケイキ」のキャスト(アキラさんは東京ではスタッフ)です。

…情報過多な世の中。
きっと現代人は考え、想像する力が衰えているのではないか。
演劇界でもきっとそう。つまり観客も。演者だってそう。説明し過ぎるし、説明され過ぎている。
そんな飽食演劇界に一石を投じるお芝居。
勝手な解釈だけど、それがノンバーバル、だと思う。
初体験。

客入れの瞬間から劇場を出るまでカンパニーはドSに徹します。観客はお金支払って作品を観に行っているのに情報をくれません。正確にいうと、ちょっとしかくれません。
照明ほんのちょっと。
音響ゼロ。でも、音って意味では身動きで立つ音や息遣い…めっちゃ説明してくれる。
舞台セット…この中では結構くれるかな。
キャスト、ちゃんと見てないと見逃し易いレベルでくれる。
とにかくカンパニーは全く媚びないんです、我々に(笑)。ステージでストーリーが進行していってるのに、何が起きているのかの説明が、本当に、ほんのちょっとだけ。
つまりは「徹底的に断捨離され尽くした作品」がそこにあります。

あープラスここに、周囲のお客さんも…キャストレベルで情報くれます。やっぱり身動きとか、息遣いとかで(笑)。とにかく観客皆が情報飢餓状態で周囲の反応に互いに過敏になっているんで、何に反応したのか無茶苦茶気になって理由を探します(笑)。
進行していく中でさらに無意識下の飢えと戦う様になり、精神的空腹をメンタルで補填して、誰だか知らない客同士でも助け合って補填し合って、どどどーっと気付けば終演…
「はいこれで全部です」と、カーテンコールでも何も無く、そそくさと退散。
お客様である我々に挑戦状叩きつけて帰って行った(笑)。
でも、死力尽くした演者の皆さんのお顔が印象的でした。
戸惑いの様なザワつきの中、観客同士、無意識下の連帯感が生まれてます。顔色をさり気なく伺い会話に耳をそばだて、各々色々振り返りながら少ない情報を繋ぎ合わせて着地点を探しながら帰る。どぉおおんって感じの心地よい疲れと共に…

そんな作品です。
文面だけ見たら…何のこっちゃ、でしょ(笑)?
でも、この振り返りがちょっと病みつきになる。
この楽しみ方…新しいジャンルじゃ無いですか??
ストーリー自体は説明するのが野暮です。
捉え方絶対皆違うし(笑)。
11月頃、同じのをやる…かも…なんて、演目中唯一の女優、春匠の大下さんが言ってました。この大下さんが劇中一番説明していそうなキャラクター。だって女優1人だから(笑)。なので、その再演では皆さん要注目ですよ、大下さんの動きは。

結論。
現代人全員観に行って、甘えてた自分に喝を入れるべき(笑)。
皆、無意識に、考えずに答えを欲しがってるんです。
お金を支払っているから、丁寧に教えてくれるのが当たり前だと。
分からなければ、カンパニーが悪いんだと。
そんな飽食演劇界で育った観客にまさに無言で投げかけてきた、ステージ側からのアンチテーゼ。
これ体感したら、観客の在り様について考えさせられますから。一方的に。

追伸
客目線で色々書きましたが、演者は舞台俳優としては最強の武器の1つ「言葉」を奪われてるので…
想像を絶する色々があると思われます。ゾッとする…

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